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細菌性食中毒の中で圧倒的に発生件数が多いのがカンピロバクターです。
そして、その原因食品として近年増えてきているのが鶏肉なのです。
この記事では、カンピロバクターと原因の多くを占める鶏肉の関係についてご紹介します。
最近のカンピロバクター食中毒
近年、カンピロバクターは細菌性食中毒の約6〜7割を占めるようになっています。
その中でも、原因食品として最も多いのが鶏肉です。
特に2013年以降は鶏肉が9割以上となっており、切実な問題です。
この割合の変化には、食肉生食の規制及び禁止が大きく関わっていると言われています。
では、この鶏肉たちはなぜ、カンピロバクターに汚染されてしまうのでしょうか。
食鳥肉の汚染原因は?
なぜか養殖場の時点で保菌してる
食用の鳥は、養殖場の時点で多くの場合、カンピロバクターを保菌することがわかっています。
しかし、そのカンピロバクターにどういった原因で汚染されるのかは明確にはわかっていません。
汚染原因が明確にわかっていない以上は、研究を進めていくとともに、対策をしていかなければなりません。
食肉になる時に汚染される。
鳥が生きている時点で肉の中にカンピロバクターがいるわけではありません。
多くの場合、腸管内に保管しています。
では、腸管内のカンピロバクターはいつ肉を汚染するのでしょうか。
それは、解体処理の時です。
鳥の解体処理は羽などをとった後、腸管などの内臓を取り出します。
その際に、腸管が破れ中身が肉を汚染することがあります。
もちろん、その後に次亜塩素酸ナトリウム溶液で洗浄はしますが、100%の殺菌ではなく、一定の割合は残ってしまうのが現状です。
食鳥肉の汚染対策は?
このように、鳥が鶏肉になる時点でカンピロバクター汚染を完全に防ぐことは難しいことがわかりました。
では、カンピロバクター食中毒を防ぐためにはどのような対策をしたら良いのでしょうか?
冷凍する
現在、国産の鶏肉の多くは冷蔵によって流通しています。それに対し、国外産の鶏肉は冷凍です。
この2つを比べた時に冷凍した国外産の鶏肉の方がカンピロバクターの汚染率が低いという報告があります。
これはすなわち冷凍による効果の可能性があるのです。
一部の国によっては一度冷凍することを義務付けているところもあります。
しかし、日本ではあくまで冷蔵の方がドリップもでないので良いとされています。
どちらがいいのかは難しい問題ですね。
食品添加物
有機酸などの食品添加物を添加して対処する方法もありますが、効果は見られるものの完全ではないのが現状です。
表面だけ熱をかける
お店ででてくる鳥刺しや鳥のたたきがカンピロバクター食中毒な大きく関わっていることは周知の事実です。
実は生食用の鳥も表面だけ焼いて流通している場合があります。
表面だけ焼くことで、完全な生に比べ菌数が減ることという報告があるのです。
また、これまでご紹介した対策を複数組み合わせることで、少しでも安全に鶏肉を食べることができるのも事実です。
ただ、いくら対策をしたとしても、生食する以上は完全な無菌にすることは難しいのが現状です。
生食にこだわらないのであれば、完全に火を通すことでカンピロバクター食中毒を防ぐことができます。
できればしっかり火を通して食べることをオススメします。
二次汚染の危険性
ここまで鶏肉自体のお話をしてきて、生の鶏肉には少なからずカンピロバクターがいることはわかってもらえたと思います。
そうなると怖いのは生の鶏肉から他のものに移ることです。
これを二次汚染といいます。
二次汚染は気がつかないところで起こっています。
生の鶏肉を冷蔵庫に入れておいたとします。そこから出たドリップが冷蔵庫についているかもしれません。
そこに火を通さないで食べるものを置いていまうとそれだけで食中毒の可能性がでてきます。
鶏肉を切った包丁を軽く洗って、サラダの野菜を切ります。
それだけで野菜は汚染されているかもしれません。
大切なのは使ったものはしっかりと殺菌し、キレイにしておくことです。
冷蔵庫も肉を置いたところが濡れていたら殺菌剤等で拭き取っておきましょう。
スプレーしてペーパーで拭くだけです。
これだけで、食中毒になる可能性が減るのです。
食中毒の二次汚染防止に
まとめ
- 鶏肉の流通中にカンピロバクターをゼロにすることは難しい
- 鳥刺しや鳥たたきなどの生食はリスクがあることを知っておく
- 火をしっかり通すことに越したことはない
- 二次汚染しないためにも汚れたらすぐ洗浄、殺菌が重要