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平成27年に発生している食中毒1202件のうち、431件が細菌由来のものになります。これは約36%に当たります。
その細菌由来食中毒のうち74%はカンピロバクターによるものになります。
今回は細菌性食中毒の中の多くを占め、腸炎原因菌No.1であるカンピロバクターについて語っていきます。
カンピロバクターの種類
カンピロバクターによる食中毒の原因菌は大きく分けてCampylobacter jejuni(C.jejuni)カンピロバクタージェジュニとCampylobacter coli(C.coli)カンピロバクターコリがいます。
胃腸炎症状を引き起こすカンピロバクター菌のうち95~99%がC.jejuniであり、C.coliは数%に止まります。
グラム陰性の微好気性の湾曲した桿菌です。
カンピロバクターの症状
主な症状は下痢、悪心、発熱、嘔吐、腹痛、頭痛があり、38~40℃の発熱を伴います。
他の胃腸炎系食中毒と症状が似ているので判断は難しいですが、1日当たりの下痢の回数が多く、10回以上に及ぶこともあります。
重症の場合、大量の水様便により脱水症状を引き起こすこともあります。
カンピロバクターの潜伏期間
潜伏期間は2~7日と長めです。
治療
重篤症状や敗血症の場合は、対症療法と化学療法が用いられるが、多くの場合自然治癒しその後も良好なことが多く、特別治療をしないことも多いです。
カンピロバクターの原因
数500~800個程度の少ない菌数でも発症することや、潜伏期間が比較的長いことから、感染源を特定することが極めて難しい食中毒です。
近年、原因となる食品が不明の場合は減ってきてはいますが、まだまだわからないことが多いようですが、肉類・加工品で多く発生しています。
2016年の発生事例を見てみると、原因の多くが不明でありますが、わかっている物の多くは鶏肉の生食(鶏わさや鶏レバー、ささみ)や加熱不足によるものです。
また、原因施設別で見てみると、飲食店での事件数が圧倒的に多いようです。
予防方法
- 食肉は十分に加熱調理すること
- 肉類は他の食品と調理器具(包丁、まな板他)や容器を分けて保存、管理すること
- 肉類に使用した調理器具、容器は良く洗浄した後、熱湯をかけたりしてしっかりと殺菌をしておくこと
- 生肉に触った手で、他のところに触らないこと
特に、鶏肉に関しては、鶏の健康状態や鮮度等に関係なく、カンピロバクターなどの食中毒菌が付いている場合がありますので十分に加熱しましょう。
参考
厚生労働省 食中毒統計資料