冬に毎年流行するインフルエンザ。
予防のためには、うがい、手洗い、マスクと言いますが、緑茶が良いと言う話を聞いたことがあるのではないでしょうか?
この記事では、本当に緑茶がインフルエンザ予防に効くのかついて語っていこうと思います。
緑茶の成分
緑茶の成分の中でもインフルエンザ予防に良いとされているのは茶ポリフエノールの部分でしょう。
俗にいう茶カテキンです。
茶カテキンは抗酸化作用や血糖上昇抑制作用など様々な作用が報告されています。
その報告された作用の一つがインフルエンザ不活化作用なのです。
カテキンを分類
カテキンをさらに分離すると
- エピカテキン(EC)
- エピガロカテキン(EGC)
- エピカテキンガレート(ECg)
- エピガロカテキンガレート(EGCg)
の四つに分けることができます。
カテキンの作用はこの四つに分けた状態で見ていきます。
どうしてインフルエンザ予防になるの?
ここからはインフルエンザウイルスが悪さをする時の話になるので少し難しい話になりますが。
インフルエンザウイルスを凝集させる
EGCgとECgをインフルエンザウイルスが入った液に作用させ、細胞に接種したところ、EGCgでは50μg/ml、ECgでは100μg/mlの濃度でウイルスが増えるのを抑制しました。
このようにインフルエンザウイルスに直接茶カテキンをかけることで、ウイルス表面にカテキンがくっつき、ウイルスが同士を凝集させます。
それによってウイルスが細胞にくっつくのを阻害し、もしくっついても細胞の中に入ってくるのを防ぎます。
インフルエンザウイルス表面の酵素活性を不活化する
インフルエンザウイルスの表面ある酵素をEGCgとECgが阻害することも報告されています。
ただ、濃度は2.0mg/mlとさっきよりは高濃度でないと効果がないようです。
要するに
緑茶に含まめるカテキンの中でも、特にEGCgとECgがヒトインフルエンザウイルスの不活化に効果があるという報告があることがわかりました。
冬のインフルエンザが流行する時期にはしっかり茶カテキンをとっておけば、インフルエンザ予防効果が期待できるかもしれません。
ただ、この結果をみるとインフルエンザに茶カテキンが直接作用させることでより効果があるのだと思いました。
たまに飲むだけでなく、頻繁に茶カテキンを摂ることが重要なのかもしれません。
伊藤園「2つの働きカテキンジャスミン茶」
参考文献:衛生化学43(5)(1997)茶葉カテキン類のインフルエンザウイルスに対する不活化作用