腸炎ビブリオ食中毒の潜伏期間と症状、原因と予防とは

腸炎ビブリオ

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腸炎ビブリオは夏の海産物などに多く発生する感染性の食中毒であり、細菌性食中毒の約2.5%(平成28年事件数)を占めています。

今回は腸炎ビブリオの症状や原因食品などを見ていきます。

腸炎ビブリオとは

ビブリオ属菌は、ビブリオ科に属し、通性嫌気性、グラム陰性無芽胞の桿菌です。

ビブリオ属菌の食中毒で一番多いのが、腸炎ビブリオ(Vibrio parahaemolyticus)で、発育温度は10~42℃(至適温度35~37℃)です。
好塩性(塩分が好き)で、2~4%の食塩濃度で発育良好ですが、真水には弱い菌です。
世代時間は約9分間と増殖速度は極めて速いですが熱に弱く、低温では増殖は鈍ります。

 

潜伏期間と症状

潜伏期間は12~24時間で、とても強い腹痛、嘔吐、水様性や粘液性の下痢が起こります。血便や発熱を伴うことも多いですが、経過は極めて速やかで、通常1~3日で回復することが多いです。

高齢者の場合、低血圧や心電図異常などが見られる場合もあり、亡くなったケースもあります。

夏等の温かい時期に、腹痛や嘔吐などに襲われて、10時間くらい前に生魚を食べていた場合は腸炎ビブリオの可能性が濃厚です。

治療方法は基本的に対症療法が中心になります。要するに特別な治療法はないようです。

下痢止めを使用してしまうと、原因菌が出て行かない為使用しない方がいいようです。

ただ、下痢や嘔吐が続いてしまう場合、脱水症を引き起こす可能性があるため、スポーツドリンクなどでしっかりと水分補給をすることが重要です。

 

原因と予防

腸炎ビブリオは適度な塩分を好む菌であるため、海水に多く生育しています。
海産性の魚介類に付着し、増殖して食中毒を起こします。

特に水温が15℃以上になってくると活発に繁殖するので、温かい時期は特に注意が必要です。
夏の食中毒の主原因になります。
ただ、腸炎ビブリオは真水に弱い為、水道水では増殖できません。

原因となる食品は、魚介類(刺身、寿司、魚介加工品)で多く、特に海産のものが多くなります。また、漬物や塩辛などの塩分があるものに2次汚染した場合もあり得ます。

 

  • 刺身など生の魚介類は新鮮なうちに食べきる。
  • 腸炎ビブリオは常温での増殖が速いので短い時間でも冷蔵庫に入れる。
  • 真水でよく洗浄する
  • 60℃、10分間以上加熱する。
  • 生の魚介類が接触したまな板や容器などをそのまま他のもの(野菜など)に使わない。
  • 生の魚介類が接触したまな板や容器などはすぐに良く洗浄し、消毒する。

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