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細菌性の食中毒の中でカンピロバクターに続き2番目に多いの(H27年データでは7.5%)が、ぶどう球菌になります。
ぶどう球菌は人の体内にも常在している菌で、傷口や鼻にもたくさんいます。
常に近くにいる菌だからこそ、食中毒にならないようしっかり対策をしましょう。
ぶどう球菌とは
ぶどう球菌は毒素エンテロトキシンを産生することで食中毒を引き起こす菌です。
顕微鏡で見てみると、球菌が集まりぶどうのようになっていることが名前の由来だと思われます。
一般的には、化膿性疾患の原因菌である黄色ぶどう球菌が食中毒の原因となります。
ヒトや動物の皮膚、鼻粘膜、咽頭、顔、手指の傷口などに広く分布し、食品を汚染することが多いのが特徴です。
潜伏期間と症状
ぶどう球菌は増殖する際に、エンテロトキシンという腸管毒を産生します。
産生されて毒素は耐熱性(100℃20分間の加熱でも破壊できません)があり、この摂取によって、嘔吐、腹痛、下痢などの急性胃腸炎症状を引き起こします。熱が出ることは少ないようです。
潜伏期間は30分~4時間と短く、通常経過は良好で、1~3日で回復します。
原因と予防
原因となる食品を絞ることは難しいのが現状です。
多くの場合、その食品自体の原因ではなく、ヒトがぶどう球菌をつけることが多いからです。
その特徴を考えると、直接手で触り調理するおにぎりやサンドイッチ、弁当などが原因となる場合があります。
平成28年では、寿司、煮物、おにぎり、オードブル、厚焼き卵などが原因食品となっていました。
ぶどう球菌は熱に弱く、加熱によって容易に死滅します。しかし、ぶどう球菌が産生するエンテロトキシンは熱に強く、加熱によって壊すことは難しいです。
加熱による対処が難しい場合、基本的には「つけない」「増やさない」が重要になってきます。
- 手洗いを徹底しましょう
- 傷口のある手で調理をすることがないようにしましょう。
- 食品はぶどう球菌の増殖しづらい低温(冷蔵庫または冷凍庫)に迅速に入れ保存しましょう。
- 残り物は再加熱すれば大丈夫!という考え方はやめましょう
昔に比べ、素手でおにぎりを握るような機会は減ってきているように感じますが、家でおにぎりを作る時もラップで包んだ状態で作ることをお勧めします。
手に傷がなかったとしても、顔を触ってその手で食品に触れば付いてしまう可能性がありますので。
そういえば、先日ホテルブッフェで「おばあちゃんのおにぎり」というコーナーがあり、そこではおばあちゃんがその場で握っていたのですが、しっかりビニール手袋をしていましたよ。
まとめ
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ぶどう球菌は皮膚や鼻、ニキビなど身体の色々なところに常在しています。
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できてしまった毒素は耐熱性で加熱してもなかなか壊れません。
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食中毒になってしまうと、腹痛、嘔吐、下痢などの症状を引き起こします。
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多くの場合、原因は食品自体ではなく、ヒトによるものです。